あじさいまつり、でひゃあっ!
「ラーボーちゃん、あーそーぼー!なのじゃ」 たまちゃんが研究所のインターホンを押している。
急な来客にみんな大慌て。
「ラボ姉、呼ばれてるよ!」 エキスちゃんがカメラに映ったたまちゃんをみている。
「…ラボ、もふもふさんに返事してあげてください」 データちゃんはコンソールを確認している。
「…えっと…はー…あー…いー………」 ラボちゃんはインターホンのボタンを押した。 声がだんだんとか細くなっている。
「たまさん、今からみんなでいきますね〜」 オブちゃんが代わりに答えている。
——みんなで玄関に行くと
「あじさい祭りをやっているのじゃ」 「あじさい祭りって何!?」 「あじさい見てうまいもの食うのじゃ」 「みんなでいきましょう〜♡」 「…賛成です。用意してきます」 みんなが用意をしに戻った。
「承認。」 「なんじゃ、アールは用意ないのじゃな」 「然(しかり)。」
しばらくするとみんなが戻ってきた。
「…ところでなんで、もふもふさん、あじさい祭りを知っていたんですか」 「妾のぷろでゅーすじゃ!ってなんでいつも、もふもふさんなのじゃ」 「…もふもふさんはもふもふさんです。他の呼び名はありません」 「もう尻尾さわらせてやらんぞ」 「…触らせることになるので問題ありません」 「なんじゃ、その不敵な笑いは!」 データちゃんがにやりと笑っていた。
——神社に着くと
「可愛い、いか焼き売ってるよ!」 「ん?いか焼きが可愛い〜?」
左右に分けたお団子ヘア。赤い髪の女の子がいか焼きを売っている。 「おとちゃんじゃん!」 「あー、エキスじゃん!みんなもいるし!いか焼き可愛くない!?」 「…だんだん可愛いの基準がわからなくなってきました」 「もう少ししたら自由時間になるから、そしたら合流するね!」 おとちゃんはテキパキといかをひっくり返していた。
すると、こっちでは。 「ねえ、あばらジョージなにしてんの!」 「サメ射的。誰もやってくれない。」 サメの着ぐるみを着た女の子が射的の店番をしている。
「一等は!?」 「サメ」 「二等は〜?」 「サメ」 「…三等は?」 「旅行券」 「ひゃあっ!」
「ちょっと!三等強くない?」 「でも三等は一枚しかない。」 「なんじゃこのよくわからない射的は。おもしろいのう」
「誰もやらないならあたしやる!三等当てるよ!」 エキスちゃんが三等を狙っている。 髪に金髪が混じりはじめている。
<パシュ>
「一等おめでとう。サメ」 「ぜんぜん嬉しくない!」 「一等だよ」 「サメじゃん!」 エキスちゃんは謎のサメのマスコットを手に入れた。 サメが歯を出して笑っている。
「そうじゃ、妾のぷろでゅーすしたものもあるのじゃ。きつねベビーカステラじゃ。」 「……データちゃん…買ってみたら……ひゃ…」 「…ん?なんですか?」 「もう並んでます〜♡」 「ちょっと、並ぶの早くない!?」 「…あの尻尾食べたいじゃないですか」 「まあ、その、そうだね!」 笑みに溢れたデータちゃん。
「狐の尻尾マジ可愛くない!?」 「…おとさん、もう働く場所変わったんですか」 「そうそう、最初はあばらジョージのとこ手伝ってたんだけどさー、人いなくて」 「一等のサメ当てたよ!」 「あー、そのちょっと可愛いやつね。二等の方が可愛いんだけど!」 「おとちゃん、二等もほとんど同じ顔だったけど!?」 「ちょっとだけ歯の並びが違うんよ!はい、データちゃん!ちょっとおまけしておいたから!」 データちゃんは嬉しそうに受け取ったきつねベビーカステラを頬張っていた。
さらにみんなが歩いていくと何かをつくっている場所が見えた。
「あれなにかな!?」 「傘に色塗れるのじゃ。あれも妾のぷろでゅーすじゃ」 「なんか、手広くやってない?」 「もっとこの神社を豪華にするのじゃ」 「…祠も暗かったです」 「あれは妾が目覚めたてだからじゃ!」 「なんか、まだ矢が扉にささってませんか〜?」 オブちゃんが遠くに見える祠を見に行った。
「えー!私が射掛けた矢抜いてないのー!」 「そもそもなんで射掛けたのじゃ!素手だと結構固いから諦めたのじゃ」 「妖力つかえばいいじゃん!」 「そのままもいいかなと思っての」 「抜いてきました〜♡」 戻ってきたオブちゃんが矢を手にしている。
「…オブちゃん…抜いちゃったの……?」 「抜けるかな〜と思って〜♡」 「さすがじゃの」 「あら〜どう致しまして〜」 「…この矢…史文恭って……彫ってあります……」 「その方が面白いっしょ!毒は塗ってないから!」 エキスちゃんの髪が金髪になった。
「じゃあ、私は傘にラボ姉描こうかな!」 「私も描きます〜♡」 「…私もそうします」
「ひゃあ!」
そこへおとちゃんとあばらジョージも一緒にやってきた。
「私も可愛いラボちゃん描くね!」 「私もラボ描く」
【ブオオオオーーーー】 ラボちゃんの冷却装置が回った。
「妾もラボ描くぞ」 「…ちょ…ちょっと…みんなで描かなくても…」
——しばらくすると作品ができてきた
「ココア飲んでるの、できました〜♡」 「…本読ませました」
「謝ってるの可愛くない!?」 「サメ着てる」
「妾は狐にしてみたぞ。眼鏡の妖狐も可愛いのう」
【ブオ】
「エキスは何描いたのじゃ!?」 「うひゃひゃ、アールちゃんにラボ姉の眼鏡かけさせてみた!ウケる☆」 髪が金髪ピンクメッシュに輝いている。
「よりによってなんで通常のワシなんだ!なんで筋肉じゃない方なんだ!」 アール所長がマッチョになって真剣な顔をしている。
「いやーマジで時間なくてさー!」 「嘘つくな!エキスなら十分描けるだろう!」 「…みなさん、脳筋の話は長いので放置していいです」 「何この言い合い!可愛くない!?」 「このサメ、ここ押すと笑う」 「…本当ですね…笑っています……」 「面白いです〜♡」 「収拾つかなくなってきたではないか!どうなっておるのじゃ!」 「たまもサメ見るといい。和む」 あばらジョージがサメの笑うボタンを連打していた。
「8月は夏祭りをやるのじゃ。またみんなで遊ぼうぞ。」
「だから描いたっていいじゃん!」 「描くなら筋肉にしろと言っているだろう!」 脳筋たちの祭りはまだ続いていた。