おとちゃんでひゃあっ!


今日は休日。
研究室では四姉妹がどこに行くかの相談をしている。

「…喫茶店に…いきたい…です…。」
「私はアイクリーム食べたいです〜♡」
「最近新しいアクセでたらしいんだよねー!」
「…八百屋にいきたいです。」
みんながびっくりしてデータちゃんを見る。

「…フルーツのデータが足りていません。データを集めたいです。」
「承認。」
アール所長は嬉しそうに上下にふわふわしている。

研究室からちょっと歩くと喫茶店がある。
カウンターの中で働いている見覚えのあるお団子ヘアの女の子が見えた。

「あれっ!おとちゃんじゃん!どうしたの!?」
ちょっと日焼けした女の子が働いている。

「あれ!エキスじゃん!!可愛くない!?このエプロン。」
「超かわいいじゃん!」

「…あの…エキスちゃん…こちらは…?」
「あー!友達のおとちゃん!いろんなところで働いててさ!」

「あー、この人たちがエキスの言ってた四姉妹ね。データちゃんは会ったことあるよ!」
「…おとさんのデータもなかなかに良いデータが取れます。」

「そうだ、みんななんか飲んでく?」
おとちゃんのエプロンがなびいた。

「…私は…ココアを…。」
「紅茶をください〜♡」
「レモンスカッシュで!!」
「オレンジジュースを。」

しばらくするとそれぞれの飲み物が運ばれてくる。
ラボちゃんにココアを差し出すときにおとちゃんは目が合った。

「このカップめっちゃ可愛くない!?」
「…ひゃ…花柄が…かわいいです…。」

飲み物を飲んだあと、ぷかぷかしていたアールちゃんが戻ってくる。
「次はアイスクリームですね♡」

アイスクリームショップに近づくと見覚えのある赤髪の団子頭が見えている。
「あれ!おとちゃん?」
「エキスじゃん!」
「…10分前に会いました。」

「可愛くない?!このユニフォーム!」
「めっちゃ可愛い!」
エキスちゃんの髪が輝いている。

「…あの、さっき…会ったばかりじゃ……。」
「喫茶店で会いましたね〜。」
「掛け持ち!このジェラート可愛くない?!ほら食べてって!」
「…ひゃあ…。…いただきます…。」
「…移動速度が計算と合いません。理解不能ですがジェラートは美味しいです。」

いつの間にかアール所長がおとちゃんの頭に乗っている。

「じゃあ、次はアクセ見よ!新作出たんだってさ!!」
さらに歩いていくとみんなの足が止まる。

「…あの、私の眼鏡…曇ってないですよね…?」
「…不可解な人物が私にも見えます。」
「なんか赤くて、お団子ヘアの〜。」
「おとちゃんだよね?!なんでもういるの!?」

「ほら、このブレスレット可愛くない!?ラボちゃんに似合うって絶対!」
ラボちゃんにアクセを見せる。

「で、エキスはこれで、オブちゃんはこれ、データちゃんこれね。」
三人にもそれぞれ手のひらにあるアクセを広げている。

「アールちゃんはこのアクセね。」
ネームプレート部分にピンバッジが光っている。

あっという間におすすめアクセサリが出揃った。

「いやいやいや!ちょっと待ってって!!」
「…物理的に不可能な早いです。異常値検出です。」

おとちゃんはラボちゃんにブレスレットをそっと当てている。
「やっぱめっちゃ可愛い!」

ラボちゃん袖で顔を半分隠している。
【ブオ】

「なんかおかしかったけど可愛いアクセ気に入ったし!」
「このアクセ、デスっちにつけても可愛いかしら〜?」
「…つけること自体、許容範囲を超えています。」
「…たまには…こういうのも…いいかも…。」
アール所長は空中でくるくる回転している。

「…では、フルーツを買ってかえりま……不合理です。」
視線の先にはおとちゃんが立っている。
「…ひゃあっ!」

「らっしゃい!!ねえ、このキウイ可愛くない!?」
「…キウイ、ですか…?」
「この産毛とまんまるな顔。美味しいから食べていってよ!」

切り分けられたキウイをみんなでつまんでいる。
「…たくさんのビタミン。記録できました。」
「なんかちょっと色違うけどおいしい!!」
「…酸味があって…酸っぱいけど口に広がって…。」

「確かにこの形、可愛くみえてきました〜。」
「でしょ!でもラボちゃんの方が可愛いけど!」
ラボちゃんがの顔が真っ赤になる。

「…これもなかなか良いデータが取れました。」
「マジでウケるんだけどー!!」
エキスちゃんの髪が金髪に変わっていた。

——しばらくして研究所に戻ると

「…ひゃああっ!」
「あら、おとさん、また早いですね〜。どうしたんですか〜?」
「今日の記録したデータ可愛いかなって!」
「…データは開示していないのですが。」
「ごめん!おとちゃんに横流ししちゃったんだよねー!キャハ!」
金髪に変わったエキスちゃんの髪が揺れている。

「ラボちゃんの反応超可愛くない!?いいじゃん、見せてよ!!」
「…仕方ないですね、今回だけですよ。(秘蔵のデータを久々に出しましょうか)」
「…えっ…おとちゃんに…見せるん…ですか……?」

【ブオオオオーーーー】

アール所長はぷかぷか浮いている。
「可愛い継続中。」

登場人物
ラボちゃん
主人公・先輩アンドロイド
内気でお世話好きな眼鏡っ娘。照れると冷却ファンが回る。
オブちゃん
おっとり癒し系
ゆったりした観察者。デスっちという巨大ハンマーを持つ。
エキスちゃん
スーパーエンジニア
ハイテンションなトラブルメーカー。道具は自分で作って壊す。
データちゃん
クールツッコミ担当
冷静沈着な分析屋。「…非効率です」が口癖。
アール所長
マスコット所長ロボット
球体の浮遊ロボット。ピンチ時に渋いおっさん声になる。
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