コーヒー味見実験でひゃあっ!
研究室。
コーヒーのいい香りが漂っている。
「…いい匂いですけど…。」
ラボちゃんがテーブルの前に置かれたコーヒーを見ている。
(なんで…私なんだろう…)
不思議そうな顔をしながらコーヒーカップを見つめている。
みんながラボちゃんの周りに立っている。
「今回はコーヒーの味覚データを収集します。ラボが適任と判断しました。」
「え、えっと…私じゃないといけないんですか…?」
みんなの方をキョロキョロと振り向く。
3人は目を輝かせながら、
「そりゃそうだよ!だって他に誰がいるの!?」
「ココアが好きならコーヒーもいけるはずです。」
「いいじゃない〜、コーヒーの飲み比べ。」
「承認、承認!」
アール所長は水晶のような体が点滅している。
——そして、実験が始まった。
ラボちゃんが1つ目のコーヒーに手をかける。
口にカップを当ててコーヒーの味を感じる。
「え、えっと…これは少し酸味が…」
3人は横で嬉しそうにニコニコしている。
データちゃんが味覚を記録していく。
「これが酸味強めのコーヒーのデータですね。次行きましょう。」
「はい、つぎこれね!」
小さめのカップをエキスちゃんが持ってくる。
ラボちゃんが2つ目のコーヒーに視線を移す。
「…あれ、これは…カップが小さい…です…。」
「それはエスプレッソですね。まずはそのままいきましょうか。」
「ラボさん、苦いから少しだけにしてね〜。」
ラボちゃんがほんの少しだけ口に入れる。
重さと苦みが口の中に広がる。
「ひゃあ……苦い……です…。」
オブちゃんがカップの近くに砂糖を置く。
「ラボさん、エスプレッソは砂糖を入れて飲むの〜。」
と、オブちゃんが横から砂糖をカップに入れる。
「さあ、混ぜて混ぜて〜。」
「…は、はい…です…。」
カチャカチャと音を立てながら混ざり合っていく。
「そろそろいいんじゃない!?」
時間を見ていたデータちゃんが横から声をかける。
もう一度そっと口に運ぶ。
「ひゃ…あ、あれ?…おいしい…です…。」
「砂糖を入れると苦みが抑えられて美味しいのよ〜。」
「残った砂糖はスプーンですくって食べられます。」
コンソールを見ていたデータちゃんが促す。
茶色く光った砂糖をスプーンで運び上げる。
「…これ、あまくて、スイーツみたい……。ちょっと気に入りました…」
「エスプレッソはいいデータになりましたね。」
「じゃあ最後!これ!」
3つ目のカップが運ばれてくる。
「実はこれエキスちゃんブレンドなのだ!!」
エキスちゃんが腰に手をあて、胸を張っている。
「…エキスちゃんのオリジナル?…ありがとう…。」
ゆっくりと口に含んでいく。
「…これも美味しい……。」
すると、コンソールを見ていたデータちゃんからパンケーキが運ばれてくる。
「パンケーキ?…これは……?」
「…コーヒーに合うと判断しました。」
照れたようにコンソールに視線を戻す。
「パンケーキ…も…コーヒーに合う……。おいしいです。」
気づくとパンケーキが半分ほどなくなっている。
——そして…
今度はエキスちゃんがラボちゃんの肩を揉んでいる。
「ラボ姉、肩凝ってない?」
「え、あ、ありがとう…ございます…。」
「本とかよく読んでるから、ここ凝ってるっぽいよ?」
「…そんなに…固まってる…かな…?」
さらにオブちゃんがそっとラボちゃんの手を握る。
「…ひゃあ…。」
「ラボさん、手のひらも揉むと気持ちいいんですよ〜?」
「え、えっと…なんか…痛気持ちいい…です…。」
「…あれ、コーヒー…の実験では…ないんですか…?」
「…実験、継続中です。」
「うんうん!継続中だよー!!」
「まだ継続ですね〜♡」
(…なんか…よくわからないけど…気持ちいいから…いいかな……)
データちゃんがアロマオイルを焚きはじめている。
——しばらくして
「あの…なかなか、終わらないのですが……実験じゃ…。」
終わらないマッサージに困惑している。
ただ心地良いので終わりを言い出せない。
「あ!凝っているとこ見つけた!」
エキスちゃんはラボちゃんの肩こり探しで大忙し。
「ひあっ!…変な声出ちゃう…です…。」
「うふふふ〜♡楽しいわね〜これ〜。」
オブちゃんはにこにこしながら手のひらを揉み続けている。
「…これはもう接待です。」
端的に答えるがデータちゃんの顔が赤く染まっている。
ラボちゃんの顔が真っ赤に変わった。
【ブオオオオーーーー】
「接待承認!接待承認!」
アール所長の体がイルミネーションのように光っている。
「接待のデータも取れました…。これを次に活かしましょう。」
「えー!今日はもう終わりなのー?まだやりたい—!」
「はやく接待するの楽しみね〜。」
三人の接待はもう少し続きそうである。
「…あ、あの、いつまで……。」
「寝るまでだよー!」
「まだ眠くなりませんね…。」
「もう少しさわらせてくださいね〜。」
「ひゃあっ!!!!」